乾癬とは
皮膚症状の他、患者さんによっては
別の症状を伴うことがあります。
※シムジアの効能又は効果は「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」です。
写真提供:福岡大学医学部 皮膚科教授 今福 信一 先生
1) 飯塚一. 日本皮膚科学会雑誌. 2006; 116(9): 1285-1293.
写真提供:福岡大学医学部 皮膚科教授 今福 信一 先生
1) Tsuruta N. J Dematol. 2019. 46(3): 193-198.
指や踵かかとに炎症を伴う関節の腫れや痛みがあらわれるほか、背中や首が痛むこともあり、重症化すると関節が変形する場合もあります。また、爪症状(はがれる、点状に陥没するなど)がみられることもあります。
末梢関節炎
手足の関節に起こる炎症
指趾炎ししえん
関節を超えて、手足の指1本全体の腫れが特徴です。
付着部炎
アキレス腱や足裏、踵などにみられる炎症で、
痛みを伴います。
脊椎炎
無症状または腰痛と思われることもありますが、
首や背中に痛みやこわばりがみられることがあります。
写真提供:福岡大学医学部 皮膚科教授 今福 信一 先生
写真提供:福岡大学医学部 皮膚科教授 今福 信一 先生
1) 古江増隆 ほか. 診る・わかる・治す 皮膚科臨床アセット10 ここまでわかった乾癬の病態と治療. 2016; 108-112.
写真:山西清文(山本俊幸 編). 皮膚科ベストセレクション 乾癬・掌蹠膿胞症病態の理解と治療最前線. 東京. 中山書店. p213 , 2020
乾癬は体の中から起こる病気です。
乾癬が悪化した状態は、体の中に炎症を引き起こしやすいマグマだまりがあるような状況です。
皮膚や関節の症状は部分的にマグマが流れ出て、体の外の症状を引き起こしていると考えるとわかりやすいかもしれません。
飯塚 一. J Visual Dermatol. 16(9): 850-851, 2017より引用、改変
肥満
喫煙
過度な飲酒
季節によるもの
(紫外線など)
精神的ストレス
感染症
外傷
その他
監修:福岡大学医学部 皮膚科教授
今福 信一 先生
乾癬の発症や悪化には、TNFα(ティー・エヌ・エフ・アルファ)をはじめとする炎症性サイトカインが大きく関わっているとされています。
正常な免疫作用でも重要なはたらきをもつTNFαが、体内のさまざまな部位で過剰に発現することにより、乾癬では皮膚や関節の症状発現や悪化につながると考えられています。
以前から、乾癬と肥満は関係性があると考えられてきました。
実際、BMI*、体脂肪率、内臓脂肪が高いほど、皮膚症状の重症度が高かったという報告があります1)。原因は、内臓脂肪にある肥満細胞組織からもTNFαが産生され、体内の TNFαの量が増えるからだと考えられています。
このTNFαが、乾癬を悪化させるため、乾癬と肥満の改善やこれも考慮した治療が大切になります。
乾癬症状が悪化する原因の1つである肥満をコントロールするためにも、生活習慣を見直し、改善するようにしましょう。
*BMIとは…
身長と体重で計算した肥満度を判定する指標のことです。日本ではBMI25以上を肥満としています。
【 計算方法:体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))=BMI】
170cm/80kgの患者さんの場合………
80÷(1.7×1.7)=27.68 ⇒ BMIは「27.68」となります。
1) 高橋英俊. 皮膚アレルギーフロンティア. 2009;(7)3: 31-36.
乾癬の治療は、大きく外用療法(塗り薬)、光線療法(紫外線療法)、内服療法(飲み薬)、生物学的製剤(注射)の4つに分けられます。シムジアⓇは生物学的製剤に分類されます。
乾癬の治療は、塗り薬(外用療法)、光線療法、飲み薬(内服療法)、生物学的製剤の4つに分けられます。
どのような治療が適しているか、主治医が病気の程度や合併症、治療内容の特徴、患者さんの生活背景などを考慮し、判断します。その中で、患者さんご自身が症状を正しく理解し、伝えることは主治医の判断材料として大切です。
乾癬の重症度を評価する方法として、いくつかの計算スコアが知られています。その中のPASE(ペース)と呼ばれる乾癬性関節炎の計算スコアは、患者さんご自身で行うことができます。PASEは全15項目の質問からなり、各質問のスコアの合計により評価することができるため、乾癬性関節炎の早期発見や悪化の把握に役立ちます。
ご自分の症状について定期的に数字で確認し、必要に応じて主治医へ相談するようにしましょう。
乾癬は、皮膚に症状がみられることが多いため、見た目に注目しがちです。しかし、乾癬は皮膚以外にも関節炎や関節の変形などの症状がみられることがあるため、これらをきちんと主治医へ伝えることが大切です。
中でも、関節炎症状を伴う乾癬性関節炎は、その認知度の低さや患者さんによって発症の仕方が異なる、他の関節疾患との鑑別が難しい、などの理由により診断が遅れることがあります。病状が進行することで関節の変形をきたすこともあるため、早期発見に努める必要があります。
関節に違和感を感じたら、乾癬の主治医へ相談するようにしましょう。
乾癬の悪化を予防するためにも、自分の日常生活を振り返ることが大切です。
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